徒然雑記 第7回「社会科の授業について思うこと その2」
こんにちは、ゆぴるんです。
人生百年時代と言われるようになりました。
少子高齢社会に起因する定年延長、年金問題や老後の資金問題など、
60歳で定年退職して隠居、なんてのは遠い昔の話になりました。
さらに、AI技術の発展によって「将来なくなる仕事」などという議論もされるようになりました。
私たち、そしてこれからの若者や子どもたちは、生涯にわたって取り組むことができる新しい知識と技術の習得が必要になっています。
そういった問題を教育の力でなんとかしたい、そう考えています。
さて、前回は私が出会ってきた「社会科ニガテ人間」について私見を述べさせていただきました。
今回はその第二弾ということで、私が考える社会科学習のカタチについて語りたいと思います。
私の考える社会科の授業の理想形は次のとおりです。
・小学3・4年生:「社会科」授業スタート、映像や実地体験を通じて世の中とのつながりを広げる
・小学5年生 :ざっくり日本地理と世界地理、ざっくり日本の歴史
・小学6年生 :ざっくり日本の歴史
・中学1年生前半 :地理
・中学1年生後半~中学2年生12月まで:歴史
・中学2年生1月~3年生 :公民(現代社会)
正直、現行のカリキュラム設定ではかなり厳しいと思います。あくまで、私の「理想のカタチ」なので、温かい目で見てください。
前回、社会科には覚えることが多く、しかも大人になってからビジネスシーンでは役に立たない知識が多い、というお話をしました。
私は、そもそもこの「知識を身につける」という授業形式自体が、すでに役に立たないものだと考えています。
教育は、知識よりも知恵を身につけさせるためにあるものです。
また、上記の「私の理想の社会科」ですが、
小学3~4年生は、とにかく視覚や体験を通じた「楽しい」ものであるべきだと思います。
小学5~6年生は、ざっくりと地理と歴史を学びますが、ここでは知識を残すよりも、前回お話しした通り、「見たことがある・聞いたことがある」を増やすことが大切だと考えます。
中学では、ふたたび地理の学習から始めます。小学校から引き続いて歴史を学ばないのは、地理の知識が歴史の授業に役立つからです。これは「地政学」という分野として、近年注目されている考え方です。
また、地理分野は、社会科の3分野のなかではもっとも原理・原則にもとづいた分野だと私は考えています。
地理の基本は「気候・地形・農業・工業(産業)・文化」です。
気候や地形は地図を見ればおおむねわかります。地形と気候がわかれば、その地で盛んな農業を考えることができます。
工業や文化は人間の手が加わったものですから、ここはある程度「知識」として身につける必要がありますが、ここで役に立つのが小学生で身につけておいた「見たことがある・聞いたことがある」です。
歴史分野は、前回お話しした通り「知識量」がもっとも多い分野です。
しかし、繰り返しますが、私は知識を身につけることよりも知恵を身につけることが大切だと考えています。
たとえば、「邪馬台国の女王卑弥呼」という知識そのものは役に立たないかもしれません。しかし、ここで考えてほしいのは、なぜ二千年近く昔のことがわかるのか、ということです。
その理由は、みなさんご存じのとおり、中国の魏志倭人伝という書物に倭国に関する記述が記されているからです。
大事なのは、ここです。つまり、直接はわからないことでも、ヒントを集めて間接的に考えれば事実にたどりつけるかもしれないという思考方法です。
また、現在学校で教えられている「歴史」の授業は、いわゆる政治学で、「誰が何をした」に主眼が置かれています。
しかし、近世以降の歴史は経済学視点で考えるべきだと考えています。
さらに、明治維新以降の近現代史、特に「直近100年の歴史」こそ時間をかけて教えるべきだというのも私の持論です。
この
・直接的にはわからないことでも、間接的にヒントを集めれば事実にたどりつけるという考え方
・状況をただしく把握してどんな一手をうつかという経済的な視点
・過去にうまくいったことと失敗したこと
を学ぶのが歴史学習の意義であり、社会科を学ぶ意義だと思います。
それらを踏まえての、公民分野すなわち現代社会のしくみとなります。
さて、今回はここまでにしておきましょう。
今後もこのように好き放題書かせていただきますので、よかったらおつきあいください。
ありがとうございました。
ゆぴ