徒然雑記 第2回 「教育は、世界平和につながる」
こんにちは、ゆぴるんです。
タイトルを見て、
「うわっ、やべぃの引いたわ」
とお思いになった方もいるかもしれません (+_+)
安心してください、はいてm...
安心してください、怪しげな思想を広めようとか、そういう系の話ではありません。
これは、いわば私自身の、教育業界に携わることに決めたきっかけであり、
目標であり、
かっこよくいえば「信念」です。
今後、私がここで書いていきたいことのためにも、
今回はその話をしておこうと思います。
お時間があればお付き合いくださいませ。
それは、私が15歳の時でした。
当時、私は高校受験を控えていたにもかかわらず、やりたいことや将来の夢、志望校すらきちんと考えていないような、どうしようもないやつでした。
盗んだバイクで走りだしたり、夜の校舎で窓ガラスを壊して回るようなことはしませんでしたが、とにかく先のことをまったく考えていませんでした。
それを見かねた父が、夏休みに私をネパールという国に行かせました。
父の学生時代の恩師が、毎年夏休みにネパールを訪問し、現地の子供たちに文房具を配るというボランティア活動をされており、それに随伴させてもらったのです。
出発前は「夏休みに海外に行ける」「みんなとはちがう経験ができる」といった軽~い気持ちだった私は、
現地についてからも、初めて見る景色や日本とは全く異なる文化などに、驚きと戸惑いを感じはしたものの、どちらかというと、のんきに楽しく過ごしていました。
ところが、そんな私の心境を大きく変える出会いは、旅の最後に待っていました。
現地での滞在も終盤にさしかかったある日、私たちは首都カトマンズを離れて、とある村のはずれにある小さな小学校を訪れました。
あいにく、その小学校は休暇中で、児童・生徒はほとんどいませんでしたが、一人だけ学生が残っているということで、その人物に会うことができました。
そこで私たちが出会ったのは、当時17歳の青年でした。
彼は、いわれのない差別に苦しむ青年でした。当時のネパールの農村地帯では、民族問題や部落差別などが、まだ深刻に根付いていました。彼は、その出自ゆえに学校に通うこともできず、故郷に帰ることもできなかったところを、その小学校の校長先生に助けてもらったそうです。
そんな彼と、通訳を通して会話をすることができました。あたりさわりのない会話をしばらくしたところで、ふと彼が私に尋ねました。
「あなたの夢は何ですか?」
当時、そんなことは考えたこともなかった私は、深く考えることもなく、
「アイ ハブ ノー ドリーム」
などと答えてしまいました。
正直、彼がそのときどんな反応を示したのか、私は覚えていません。ただ、きっと失望したことでしょう。もしかしたら、怒りを覚えたかもしれません。
それくらい、軽率な発言だったと、いまでは後悔しています。
しばらくの沈黙の後、今度は私が彼に同じ質問をしました。彼の答えは、
「僕の夢は兵隊になることだ。兵隊になって、敵を倒し、愛するものを守りたい。」というものでした。私は愕然としました。さらに彼は続けます。
「でも、本当は戦いなんてしたくない。話し合いで解決したい。けれど、僕は学校に行っていないから、勉強をしていないから、それはできない。君は勉強ができてうらやましい。」と。
そのとき、私の胸に、悲しみと怒りが押し寄せてきたことを覚えています。
自分とそれほど変わらない年齢の青年が、これほどのことを抱えていたこと、抱えてしまっていることへの悲しみ。そして、そんな世界があることも知らず、「ノー ドリーム」などと平気で口にした自分自身への怒り。この経験が、私を教育の道へ進ませたことは、言うまでもありません。
私は、今の子どもたちにもこのような経験をしてほしいと思います。けれども、それは決して海外へ行けということでも、重たい過去を背負えということでもありません。
自分の“ルーツ”と呼べる経験をしてほしいのです。
大人になったとき、「あの経験があるから今の自分がある」といえるものに出会ってほしいのです。
私の場合は、たまたま異国での経験がそうなっていますが、それはどんなに些細なことでも構わないと思います。部活動で毎日夜遅くまで頑張っていたから、どんなきつい仕事でも乗り越えられるとか、この味がいいねと君が言ったから今日は二人のサラダ記念日だとか、そんなことでいいと思います。
どんなことでも、自分にとって「ちょっと特別」な経験が、未来につながっていくのだと、私は信じています。
そんな「ちょっと特別」な経験が、私との出会いや関わり合いであれば、これ以上の幸せはないと思って、私は教育に携わる仕事をしています。
すこし長くなってしまいましたが、これが、私が「教育は世界平和につながる」と信じる理由です。
ともあれ、マザーテレサも、マララ・ユスフザイさんもノーベル平和賞を受賞されているわけですから、
あながち間違った信念ではないと、私は思っています。
このように、自分の経験なんかを踏まえて、いろいろなことを今後も書いていきたいと思います。
ありがとうございました。
ゆぴ